あんこは小豆?金時豆?見分け方と、味がどう変わるか

「あんこって小豆から作るものじゃないの?」「金時豆でもあんこになる?」と疑問に思ったことはありませんか。

スーパーの和菓子やパンを見ると、見た目は同じような赤茶色のあんでも、原材料に「小豆」と書かれているものもあれば、「いんげん豆」「金時豆」などが使われているものもあります。

結論からいうと、一般的な赤いあんこは小豆から作るのが基本ですが、金時豆などのいんげん豆を使ってあんこを作ることもできます。

農林水産省も、あんこは一般的には小豆から作られる一方、小豆以外にもいんげん豆、えんどう豆、栗、さつまいもなど、さまざまな材料から作られると紹介しています。

ただし、小豆あんと金時豆あんでは、

  • 豆の大きさ
  • 香り
  • 豆らしい風味
  • 皮の存在感
  • なめらかさ

に違いが出ます。

この記事では、あんこは小豆なのか金時豆なのかという疑問から、見た目や原材料表示での見分け方、味の違い、白あんとの関係まで詳しく解説します。

あんこの基本は「小豆」

日本で「あんこ」と言った場合、一般的にイメージされるのは小豆を砂糖と一緒に炊いた小豆あんです。

農林水産省では、小豆を使った代表的なあんとして、

  • つぶあん
  • こしあん
  • つぶしあん
  • 小倉あん

を紹介しています。

たい焼き、大福、どら焼き、おはぎ、まんじゅう、あんパンなどに入っている赤茶色のあんは、小豆を原料としていることが多いでしょう。

つまり、

普通の「あんこ」=基本は小豆

と覚えておけば、大きく間違うことはありません。

ただし、「あん」という言葉そのものは小豆だけを意味するわけではありません。

金時豆でもあんこは作れる?

金時豆でもあんこは作れます。

金時豆は小豆の一種ではなく、いんげん豆の仲間です。

日本豆類協会によると、金時豆はいんげん豆を代表する銘柄のひとつで、鮮やかな赤紫色をしていることから「赤いんげん豆」と呼ばれることもあります。代表的な品種として「大正金時」などがあります。

金時豆というと、一般的には甘く煮た「煮豆」のイメージが強いでしょう。

実際、日本豆類協会も金時豆は形や食味がよく、特に煮豆に適した豆として紹介しています。甘納豆の原料にも使われます。

一方で、いんげん豆自体はあんの原料にも使われています。

農林水産省の伝統食資料でも、あんの原料として小豆だけでなくいんげん豆が挙げられています。

そのため、

小豆ではない=あんこではない

というわけではありません。

小豆と金時豆は別の豆

見た目がどちらも赤っぽいため混同しやすいのですが、小豆と金時豆は別物です。

大きな違いを簡単に整理すると次のとおりです。

比較 小豆 金時豆
分類 小豆 いんげん豆
豆の大きさ 小さめ 大きめ
赤褐色~濃い赤 赤紫色
主な用途 あんこ、赤飯、ぜんざい 煮豆、甘納豆、料理、あん
あんにした味 小豆特有の香りが出やすい 豆の甘みを感じやすく比較的まろやか
粒あんの見た目 小さな粒が残る 大きな豆粒が目立ちやすい

特にわかりやすいのが粒の大きさです。

金時豆は大粒で、代表品種の大正金時は種子が2cm近くになることもあります。

一方、小豆はそれよりかなり小さいため、煮る前の豆を見れば比較的簡単に区別できます。

小豆あんと金時豆あんは見た目で見分けられる?

粒が残っているあんなら、ある程度見分けやすくなります。

小豆あん

小豆は粒が小さいため、つぶあんにすると小さな豆粒や薄い皮がたくさん混ざった状態になります。

一般的などら焼きやおはぎのつぶあんを想像するとわかりやすいでしょう。

色は濃い赤茶色や紫がかった茶色になることがあります。

金時豆あん

金時豆は小豆より大きいため、粒を残して作ると一粒一粒の存在感が出やすくなります。

つぶした場合でも、豆が大きいため、やや粗めで「豆をつぶして作った」印象が強くなることがあります。

ただし、完全に裏ごしして滑らかなあんにすると、見た目だけで原料を当てるのは難しくなります。

砂糖の量や炊き方によって色も変わるため、確実に知りたい場合は原材料表示を確認しましょう。

一番確実なのは原材料表示を見ること

市販の商品なら、見た目よりも原材料名を見るのが確実です。

たとえば、

小豆、砂糖

と書かれていれば、小豆あんが基本です。

一方、

いんげん豆、砂糖

金時豆、砂糖

などと書かれていれば、いんげん豆系のあんが使われています。

白あんの場合は、

白いんげん豆

手亡豆

などが表示されていることもあります。

農林水産省では、白あんについて、小豆のこしあんと同様の製法でいんげん豆を原料として作ると説明しています。

「見た目は白いから小豆ではない」と思うかもしれませんが、実際には白小豆から作られる白いあんもあります。

そのため、最終的には表示を見るのが一番です。

小豆あんはどんな味?

小豆あんの特徴は、小豆特有の香りと風味です。

農林水産省では、一般的な小豆品種「エリモショウズ」について、昔ながらのあんこの味と、小豆特有の風味が特徴として紹介されています。

砂糖の甘さだけではなく、食べたあとに残る独特の豆の香りが、小豆あんらしさにつながっています。

そのため、

  • どら焼き
  • 大福
  • おはぎ
  • たい焼き
  • ぜんざい
  • あんパン

など、「あんこの風味そのもの」を楽しむ食品には小豆がよく合います。

特に甘さ控えめのあんでは、小豆の香りの違いが感じやすくなります。

金時豆あんはどんな味?

金時豆あんも豆の風味がありますが、小豆あんとは少し方向が異なります。

一般的には、小豆特有の香りが弱く、豆そのものの甘みやほっくりした味わいを感じやすい傾向があります。

金時豆は煮豆向きの豆として評価されており、日本豆類協会でも食味がよく煮豆に適しているとされています。

そのため金時豆をつぶしてあんにすると、

「いつものあんこ」より、甘い煮豆をなめらかにしたような味

と感じる人もいるでしょう。

ただし、最終的な味は、

  • 砂糖の量
  • 塩の量
  • 豆の品種
  • 皮を残すか
  • 裏ごしするか
  • 水分量

によって大きく変わります。

小豆より必ず甘い、必ず薄味というわけではありません。

小豆あんと金時豆あん、甘いのはどっち?

「金時豆のほうが甘い?」と思う人もいますが、あんこの甘さは基本的に加える砂糖の量で決まります。

小豆だから甘い、金時豆だから甘くない、という単純な違いではありません。

たとえば同じ豆100gに同じ量の砂糖を加えれば、甘さそのものには大きな差が出にくくなります。

違って感じるのは、豆の香りや皮の風味、食感などです。

小豆あんは小豆特有の香りがあるため、甘さの中にも豆の風味を感じやすくなります。

金時豆あんは香りの方向が異なるため、砂糖の甘さがより素直に感じられる場合があります。

食感はどう変わる?

粒あんではかなり違いが出ます。

小豆

小豆は粒が小さいため、つぶあんにしても粒が細かく、ご飯粒より小さな豆が全体に混ざります。

皮の存在感もありますが、一粒が小さいため比較的まとまりやすいのが特徴です。

金時豆

金時豆は大粒なので、粒を残すとかなり存在感があります。

そのままでは「粒あん」というより、甘く煮た豆をつぶしたような食感になることもあります。

しっかりつぶしたり裏ごししたりすれば、なめらかに仕上げることもできます。

つまり、

粒感を残すほど違いが大きい

こしあん状にするほど違いがわかりにくくなる

と考えるとよいでしょう。

金時豆の甘煮と金時豆あんは違う

ここは混同しやすいポイントです。

金時豆を砂糖で甘く煮たものは一般に煮豆です。

日本豆類協会でも、金時豆は甘い煮豆に適した豆として紹介されています。

煮豆は基本的に豆の形を残して仕上げます。

一方、金時豆あんは、柔らかく煮た豆をつぶしたり練ったりして、ペースト状に近づけます。

つまり、

豆の形が残る → 金時豆の甘煮

つぶして練る → 金時豆あん

という違いです。

ただし家庭料理では、かなり煮崩れた甘煮を「あん」のように使う場合もあるため、境界が厳密なわけではありません。

白あんは小豆?いんげん豆?

白あんの多くは白いんげん豆を原料にしています。

農林水産省も、白あんはいんげん豆から作られると紹介しています。

白いんげん豆には、

  • 手亡
  • 大福豆
  • 白金時豆

などがあります。

日本豆類協会によると、いんげん豆の白色系には手亡、大福豆、白金時豆などがあり、白金時豆は白あんの原料としても利用されます。

そのため、

赤いあん=小豆

白いあん=白いんげん豆

というケースが多くなります。

ただし、「白小豆」という白っぽい小豆も存在するため、白あんが必ずいんげん豆とは限りません。

「小倉あん」は金時豆ではない

名前から豆の種類のように感じるかもしれませんが、「小倉あん」は金時豆のあんではありません。

農林水産省によると、小倉あんはこしあんに、大納言などの大粒の小豆を蜜煮にして混ぜたものです。

つまり小倉あんも基本的には小豆です。

整理すると、

つぶあん → 小豆の粒を残す

こしあん → 小豆の皮を取り、なめらかにする

小倉あん → こしあん+大粒の小豆

です。

「小倉」という種類の豆が入っているわけではありません。

大納言と金時豆は同じ?

大納言小豆と金時豆も別物です。

大納言は大粒の小豆です。

一方、金時豆はいんげん豆です。

どちらも普通の小豆より大粒に見えるため間違えやすいのですが、分類が異なります。

農林水産省でも丹波大納言は小豆の高級品種として紹介されています。

そのため、和菓子の表示に、

大納言小豆使用

と書いてあれば、小豆あんの仲間です。

「粒が大きいから金時豆」というわけではありません。

あんパンのあんこは小豆?

一般的なあんパンの赤いあんは、小豆を原料にしたものが多いでしょう。

ただし商品によって異なるため、確実に知りたい場合は原材料表示を確認してください。

特に、

  • 白あんパン
  • 栗あんパン
  • いもあんパン
  • 豆あんパン

などは小豆以外の材料が使われます。

「あんパン=必ず小豆」というわけではありません。

たい焼きや大福のあんこは?

一般的な黒や赤茶色のたい焼き、大福なら小豆あんが主流です。

農林水産省でも、小豆あんを使用するさまざまな伝統菓子が紹介されています。たとえば奈良県の「御城之口餅」は小豆あんを餅で包んだ菓子です。

ただし最近では、

  • 白あん
  • カスタード
  • 芋あん
  • 栗あん
  • ずんだ
  • 抹茶あん

など種類も豊富です。

見た目だけでは判断できない商品も増えています。

小豆あんと金時豆あんはどっちがおいしい?

これは完全に好みです。

昔ながらの和菓子らしいあんこを求めるなら、小豆あんが向いています。

小豆特有の風味があり、たい焼きや大福、どら焼きなどとの相性もよいでしょう。

一方、

小豆の香りが少し苦手

もっと豆らしい、ほっくりした味が好き

という人なら、金時豆あんを好む可能性があります。

金時豆は煮豆としても食味がよい豆なので、甘く炊いてつぶすだけでもしっかりした豆の味を楽しめます。

家で金時豆からあんこを作れる?

作れます。

基本的には、

  1. 金時豆を水に浸す
  2. 柔らかくなるまで十分に煮る
  3. 砂糖を加える
  4. 豆をつぶす
  5. 好みの水分量まで練る

という流れです。

日本豆類協会では、金時豆などのいんげん豆について、まず十分に柔らかくゆでてから砂糖を加えて煮る基本的な甘煮の方法を紹介しています。

あんにする場合は、最後に豆をつぶして練れば作れます。

よりなめらかにしたければ、裏ごしします。

金時豆は必ず十分加熱する

金時豆を家庭で調理するときに注意したいのが、加熱不足です。

いんげん豆類には、生や加熱不足の状態で食べると体調不良を起こす原因となる成分があります。

日本豆類協会も、豆類を生や十分に加熱されていない状態で食べると、胃腸障害などを起こす可能性があるとして、適切に加熱するよう注意しています。

そのため金時豆あんを作るときは、

「少し硬いけど砂糖を入れて煮ればいい」

ではなく、先に豆の中心まで十分柔らかくなるよう加熱してください。

小豆あんと金時豆あんの見分け方まとめ

一番わかりやすい判断方法は次のとおりです。

豆そのものが見える場合

小さな赤い粒
→ 小豆の可能性が高い

大きな赤紫色の豆
→ 金時豆の可能性が高い

ペースト状の場合

見た目だけでの判断は難しくなります。

小豆あんは濃い赤茶色になりやすいですが、砂糖や製法でも色は変わります。

市販品の場合

原材料表示を確認するのが最も確実です。

「小豆」なら小豆あん。

「いんげん豆」「金時豆」なら、いんげん豆系のあんです。

あんこと小豆・金時豆に関するよくある質問

あんこは全部小豆ですか?

いいえ。

一般的なあんこは小豆が中心ですが、いんげん豆やえんどう豆、栗、いもなどでもあんは作れます。農林水産省も、あんにはさまざまな原料が使われると紹介しています。

金時豆は小豆の仲間ですか?

違います。

金時豆はいんげん豆の仲間です。日本豆類協会では、金時豆をいんげん豆の代表的な銘柄として紹介しています。

金時豆でつぶあんを作れますか?

作れます。

ただし金時豆は小豆より粒が大きいため、粒を残すと一般的なつぶあんより豆の存在感が強くなります。

白あんは金時豆ですか?

白金時豆が使われる場合もありますが、すべてではありません。

手亡、大福豆など、ほかの白いんげん豆も白あんの原料になります。

こしあんは小豆ですか?

一般的な赤いこしあんは小豆です。

農林水産省では、小豆を煮て皮を取り除き、砂糖などを加えて練ったものを小豆こしあんとして説明しています。

小倉あんは金時豆ですか?

違います。

小倉あんは、こしあんに大納言などの小豆の蜜煮を加えたものです。

大納言は金時豆ですか?

違います。

大納言は大粒の小豆、金時豆はいんげん豆です。

小豆あんと金時豆あんはどちらが甘い?

甘さは豆の種類よりも砂糖の量によって大きく変わります。

小豆あんは小豆特有の香りがあり、金時豆あんは豆の甘みやほっくり感を感じやすいという違いがあります。

まとめ|普通のあんこは小豆。金時豆でも作れるが味と粒感が違う

一般的に「あんこ」と呼ばれている赤茶色のあんは、小豆から作られているものが基本です。

農林水産省でも、あんこは一般的には小豆から作られると紹介されています。

一方、金時豆でもあんこは作れます。

ただし金時豆は小豆ではなく、いんげん豆の仲間です。

違いを簡単にまとめると、

小豆あん
→ 小粒で、小豆特有の香りが強く、昔ながらのあんこらしい味

金時豆あん
→ 豆が大きく、ほっくりした豆らしい味わいが出やすい

という傾向があります。

粒が残っていれば豆の大きさである程度見分けられますが、こしあん状になると見た目だけで判断するのは難しくなります。

市販の商品なら、原材料表示を見るのが最も確実です。

「小豆」と書いてあれば小豆あん。

「いんげん豆」「金時豆」と書いてあれば、いんげん豆系のあんです。

そして白あんの場合は、手亡や白金時豆などの白いんげん豆が使われることも多くあります。

つまり、

あんこ=必ず小豆ではない。
でも、普通の赤いあんこの基本は小豆。

この違いを知っておくと、和菓子の原材料表示を見る楽しみも少し増えるでしょう。

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