
「普通のドライサウナと塩サウナ、何が違う?」
「初心者なら温度が低い塩サウナから入ったほうがいい?」
「塩は体にこすりつけるの?」
スーパー銭湯へ行くと、80~90℃前後のドライサウナとは別に「塩サウナ」が用意されていることがあります。
結論からいうと、両者の大きな違いは温度・湿度・塩を肌に使うかどうかです。
一般的なドライサウナは高温・低湿度。研究で扱われるフィンランド式ドライサウナでは、80~100℃、相対湿度10~20%程度が一般的です。
一方、日本の温浴施設でいう塩サウナは、40~60℃前後の低温で湿度が高いスチーム・ミスト系になっていることが多く、室内に置かれた塩を肌へ乗せて利用します。
初心者の選び方を先にいうと、
高温が怖い・熱さが苦手
→ 塩サウナから試しやすい
肌が弱い・傷がある・直前にムダ毛処理をした
→ 塩は避け、ドライサウナを短時間から
がおすすめです。
ただし、「塩サウナは温度が低いから身体への負担も必ず小さい」とは言い切れません。
湿度が高い環境では汗が蒸発しにくくなり、身体から熱を逃がしにくくなります。乾燥サウナと湿潤サウナを比較した研究では、低温でも高湿度の環境のほうが深部体温や心拍数、熱ストレス指標が大きくなった例があります。
そのため、初心者は種類よりも、
短時間から始める
無理に我慢しない
入る前から水分を取る
ことのほうが重要です。
ドライサウナと塩サウナの違いを比較
まずはざっくり比較します。
| 比較 | ドライサウナ | 塩サウナ |
|---|---|---|
| 温度 | 約80~100℃が代表的 | 約40~60℃が多い |
| 湿度 | 約10~20% | 高湿度の施設が多い |
| 熱さの感じ方 | 熱く乾燥する | 温度は低めだが蒸し暑い |
| 発汗 | 比較的短時間で出やすい | じわじわ汗が出る |
| 塩 | 使わない | 肌に乗せて使う |
| 滞在 | 短時間向き | 比較的長く感じやすい |
| 肌への特徴 | 乾燥を感じる人も | 塩が刺激になる人も |
| 初心者 | 短時間なら可 | 高温が苦手なら試しやすい |
なお、施設によって設定はかなり違います。
「塩サウナ」と書いてあっても、温度・湿度、塩の使い方、座る場所などのルールは施設ごとに異なるため、現地の表示を優先してください。
ドライサウナとは?
ドライサウナは、日本の温浴施設で最もよく見るタイプです。
ストーブなどでサウナ室内の空気を高温にし、湿度を低めに保ちます。
医学研究で最も多く扱われているフィンランド式サウナでは、一般的に80~100℃、相対湿度10~20%程度。1回の滞在は5~20分程度の研究が多く、その間に休憩・冷却・水分補給を挟みます。
日本の施設では70℃台から100℃を超える設定まで幅があります。
ドライサウナはなぜ90℃でも入れる?
「90℃なら熱湯よりはるかに高いのに、なぜ火傷しないの?」
と思うかもしれません。
大きな理由の一つが湿度です。
乾燥した空気では汗が蒸発し、その気化熱によって身体から熱を逃がせます。ドライサウナは高温でも湿度が低いため、この蒸発による体温調節が働きます。
一方、湿度が高くなると汗が蒸発しにくくなるため、同じ温度でも体感はかなり変わります。
塩サウナとは?
塩サウナは、室内に置かれた塩を肌へ乗せながら入るサウナです。
日本では、
40~60℃程度
+
高湿度
+
スチームまたはミスト
というタイプが多く見られます。
普通のドライサウナで、
「熱くて3分しか入れない」
という人でも、塩サウナなら温度の数字自体はかなり低いため、入りやすく感じる場合があります。
ただし高湿度なので、「50℃だから90℃のドライサウナより身体への負担が半分」というわけではありません。
初心者はどっちから入る?
高温が苦手なら塩サウナから
サウナそのものに慣れておらず、
「90℃という表示だけで怖い」
「熱い空気を吸うのが苦手」
という人なら、温度が低めの塩サウナから試すのは合理的です。
塩サウナは一般的に40~60℃程度の施設が多く、ドライサウナの高温・乾燥が苦手な人にも利用しやすいと紹介されています。
ただし最初から15分、20分と長く入る必要はありません。
「低温だから長時間いなければ効かない」と考えないでください。
肌が弱いならドライサウナを短時間から
敏感肌、湿疹、傷、ひっかき傷などがある人は、塩がしみる可能性があります。
米国皮膚科学会は、物理的なスクラブなどによる角質除去について、敏感肌では刺激になり得ること、傷や日焼けのある肌では行わないこと、強くこすらないことを勧めています。
このタイプの人なら、
低い段のドライサウナ
+
3~5分程度から
のほうが使いやすいでしょう。
「初心者=絶対に塩サウナ」が正解ではない
ネットでは、
塩サウナは低温だから初心者向け
と説明されがちです。
入りやすさという意味では一理あります。
ただし生理学的には、高湿度では汗の蒸発による冷却がうまく働かず、低温でも身体へ熱がたまりやすくなることがあります。
健康な成人を対象にした実験では、約91℃・湿度18%のドライサウナと、約59℃・湿度60%の湿潤サウナを比較したところ、湿潤サウナで深部体温や心拍数、熱ストレス指標がより大きく上昇しました。
これは「塩サウナは危険」という意味ではありません。
温度だけ見て油断しないことがポイントです。
初心者ならまず何分?
「必ず8分」などのルールはありません。
体格、暑さへの慣れ、室温、湿度などで変わります。
初めてなら、
ドライサウナ
3~5分程度から
塩サウナ
5分程度から様子を見る
くらいで十分です。
「汗が出るまで出てはいけない」
「12分計を1周しないと意味がない」
というルールはありません。
苦しい、気分が悪い、動悸が強いと感じたらその時点で出ます。
初心者は上段より下段
ドライサウナでは、一般的に上の段ほど熱くなります。
熱い空気は上昇するためです。
初回なら、
一番下~中段
から始めると調整しやすいでしょう。
「上段で10分耐えられた人ほどサウナ上級者」という競技ではありません。
同じサウナ室でも座る高さを変えるだけで体感がかなり変わります。
塩サウナの正しい入り方
STEP1|先に身体を洗う
汗や汚れを軽く流してから入ります。
施設の衛生ルールを守る意味でも重要です。
STEP2|水分を取る
サウナへ入る前に水分補給します。
日本サウナ・スパ協会は事故予防のため、従来の、
サウナ→水風呂→休憩
に水分補給を加え、
水分補給→サウナ→水風呂→休憩
というルーティンを推奨しています。
STEP3|塩は「こすらず乗せる」
ここが重要です。
塩を取ったら、
腕
脚
背中
お腹
などへ優しく乗せます。
最初から塩をスクラブのようにゴシゴシこする必要はありません。
肌への機械的な摩擦は刺激になるため、皮膚科医もスクラブを使う場合は強くこすらず優しく扱うよう勧めています。
STEP4|汗で塩が溶けるのを待つ
数分すると汗が出て、塩が自然に溶けてきます。
この状態で無理のない範囲で過ごします。
STEP5|出たら塩をよく流す
塩を肌へ残したまま水風呂や浴槽に入らないようにします。
施設によっては「塩を完全にシャワーで流してから次の浴槽へ」と明記されています。
必ず現地ルールに従ってください。
塩を強くこするとツルツルになる?
強くこするのはおすすめしません。
塩の粒そのものに物理的なスクラブ作用があるため、
「角質を落としたい」
と力を入れたくなるかもしれません。
しかし、強い物理的角質除去は皮膚の赤みや刺激につながることがあります。AADも、スクラブでは優しい力を使い、過度な角質除去を避けるよう勧めています。
塩サウナでは、
塗り込む
より
乗せて汗で溶かす
くらいに考えてください。
顔にも塩を塗っていい?
施設で特別に推奨されていない限り、顔へ積極的に塩を塗る必要はありません。
顔は身体より皮膚が刺激を受けやすく、
- 目
- 唇
- 鼻周辺
にも入りやすいからです。
特に敏感肌、ニキビ、酒さなどがある場合には、物理的な摩擦を避けたほうがよい場合があります。
髭剃り・ムダ毛処理の後は塩サウナを避ける
これはかなり大切です。
カミソリを使った直後には、目に見えない小さな傷ができていることがあります。
その状態で塩を乗せれば強くしみる可能性があります。
AADも、開いた傷がある肌には角質除去を行わないよう勧めています。
そのため、
髭剃り直後
脚やワキのシェービング直後
掻き傷がある
日焼けしている
ときは塩を使わないほうが無難です。
アトピー・湿疹がある人は?
現在湿疹が出ている部位や、皮膚バリアが荒れている部位へ自己判断で塩をこすり込むのは避けましょう。
塩が刺激になって、ヒリヒリ感や赤みが強くなる可能性があります。
皮膚症状がある場合は、「サウナで治そう」とせず、必要なら皮膚科で相談してください。
ドライサウナの正しい入り方
初心者ならシンプルです。
水分補給
↓
身体を洗う
↓
身体の水分を軽く拭く
↓
下段で3~5分
↓
退出
↓
身体を冷ます
↓
休憩
です。
水風呂は必須ではありません。
冷水が苦手なら、ぬるめ~冷たいシャワーや外気浴だけでも構いません。
水風呂は初心者も必ず入る?
いいえ。
「サウナに入ったら水風呂まで我慢して初めて1セット」
という決まりはありません。
急激な温度変化では血圧や循環動態が変化します。
初心者で冷水が苦手なら、
サウナ
→ シャワー
→ 休憩
でも十分です。
無理に冷たい水へ飛び込む必要はありません。
ドライサウナと塩サウナ、どっちが汗をかく?
単純比較はできません。
ドライサウナは温度が高いため、比較的早く大量の汗をかく人が多いでしょう。
一方、高湿度の塩サウナでは汗が蒸発しにくく、皮膚表面が濡れた状態になりやすいので、「汗をたくさんかいている」と感じやすいこともあります。
乾燥サウナと湿潤サウナを比較した研究では、体重減少はドライサウナのほうが大きい一方、深部体温や熱ストレスは高湿度サウナのほうが大きくなった例があります。
つまり、
汗の量=身体への負担
でもありません。
塩サウナのほうが「デトックス」できる?
「塩が毒素を吸い出す」という表現には注意が必要です。
汗の中心成分は水分と電解質です。
サウナによる発汗を、
体内の毒素を大量に排出する特別なデトックス方法
と考える十分な根拠はありません。
ドライサウナの健康効果については研究がありますが、レビューでも研究の質や条件にはばらつきがあり、サウナの種類ごとに最適な温度・時間を決められるほどのデータはありません。
塩サウナも「毒出し」を目的に無理して長時間入る必要はありません。
美肌目的なら塩サウナのほうがいい?
「絶対に美肌になる」とまでは言えません。
塩を使うことで皮膚表面の古い角質が落ちやすくなり、触ったときに滑らかに感じる可能性はあります。
ただし、皮膚科の観点では角質除去をやりすぎると逆に赤みや乾燥、刺激を起こします。
敏感肌では、
「ツルツルになるまで塩でこする」
より、
少量を優しく乗せる
→ 流す
→ 入浴後は保湿する
くらいが無難です。
ドライサウナは肌が乾燥する?
乾燥を感じる人はいます。
低湿度環境なので、皮膚表面から水分が蒸発しやすいからです。
サウナ後に肌がつっぱる人は、入浴後に保湿剤を使うとよいでしょう。
ただし、サウナ研究では皮膚バリアや保湿に関して必ず悪影響が出ると決まっているわけではなく、利用条件や肌質によって異なります。
ドライサウナと塩サウナを同じ日に両方入っていい?
体調に問題がなければ施設ルールの範囲で楽しめます。
ただし初心者なら、初回から両方を何セットも回る必要はありません。
まず、
ドライ1回だけ
または、
塩サウナ1回だけ
を体験し、自分がどの程度暑さに耐えられるかを見るほうが安全です。
両方入るならどっちを先にする?
医学的に、
必ず塩→ドライ
または
必ずドライ→塩
という順番は決まっていません。
初心者なら、
今日は塩サウナ
次回はドライサウナ
くらいに分けても十分です。
同日に両方試す場合も、それぞれ短時間にして、間に休憩と水分補給を入れます。
「せっかく料金を払ったから全部3セットずつ」は避けましょう。
塩サウナの後にドライサウナへ入るなら塩を完全に流す
ここは施設マナーとしても重要です。
塩サウナを出たら、シャワーで塩をしっかり流します。
そのまま塩を付けた身体で、
ドライサウナ
水風呂
浴槽
へ移動しないようにしてください。
特に塩が床へ落ちると設備や衛生管理にも影響するため、施設の掲示を守ります。
初心者がやりがちなNG行動
12分計を一周するまで我慢する
必要ありません。
いきなり上段へ座る
下段からで十分です。
塩をゴシゴシこする
肌への刺激になります。
水分を取らず3セットする
発汗による脱水リスクがあります。
水風呂へ無理に飛び込む
冷たさが苦手ならシャワーで構いません。
飲酒後に入る
アルコール摂取後のサウナは脱水、血圧低下、転倒などのリスクを高めるため避けます。
めまいがするのに続ける
すぐ退出して休みます。
サウナ前の水分補給はどれくらい?
日本サウナ・スパ協会は、サウナ前後に200mL程度を一つの基準として、こまめに水分を取ることを推奨しています。1回のサウナ浴で約300~600mLの汗をかくことがあるとして、発汗量を上回る水分補給を呼びかけています。
大切なのは、
最後に500mLを一気飲み
ではなく、
入る前から少しずつ飲む
ことです。
「汗が出ないから長く入る」はNG
サウナへ入って数分経っても汗が少ない人はいます。
それだけで「効いていない」とは言えません。
発汗量には個人差があります。
汗が出るまで20分、30分と粘れば、そのぶん身体へ熱がたまる可能性があります。
時間より、
熱い
苦しい
動悸が強い
気分が悪い
という身体の感覚を優先してください。
こんな症状が出たらすぐ出る
- めまい
- 立ちくらみ
- 吐き気
- 頭痛
- 強い動悸
- 息苦しさ
- 強いだるさ
- 意識がぼんやりする
こうした症状がある状態で、
「あと2分だから」
と我慢しないでください。
サウナでは発汗、血管拡張、体内の熱蓄積などによって、失神、低血圧、熱関連障害などが起こる可能性があります。
初心者向けのおすすめルーティン
高温が苦手な人
水分補給
↓
身体を洗う
↓
塩サウナ5分程度
↓
塩をよく流す
↓
シャワー
↓
休憩
まずこれだけで十分です。
塩が苦手・敏感肌の人
水分補給
↓
身体を洗う
↓
ドライサウナ下段3~5分
↓
シャワー
↓
休憩
最初から水風呂や3セットを目標にする必要はありません。
よくある質問
Q. ドライサウナと塩サウナの一番大きな違いは?
一般的には温度・湿度と、塩を肌に使う点です。
ドライサウナは80~100℃、湿度10~20%程度が代表的です。塩サウナは日本の施設では40~60℃程度の低温・高湿度になっていることが多いです。
Q. 初心者なら塩サウナから?
高温が苦手なら試しやすいでしょう。
ただし高湿度では汗が蒸発しにくいため、「低温=身体への負担が必ず軽い」とは限りません。
短時間から始めてください。
Q. 塩サウナは何分入ればいい?
全員共通の時間はありません。
初心者ならまず5分程度から様子を見るのがおすすめです。
無理に10~15分入る必要はありません。
Q. ドライサウナは初心者なら何分?
まず3~5分程度、下段からで十分です。
熱い、苦しいと感じたら時間に関係なく退出します。
Q. 塩は体へすり込む?
強くすり込まないでください。
肌へ優しく乗せ、汗で溶けるのを待つ程度で十分です。強い物理的なスクラブは肌への刺激になります。
Q. 顔にも塩を塗る?
積極的に塗る必要はありません。
目や唇などに入りやすく、敏感肌では刺激になる可能性があります。
Q. ムダ毛処理した日に塩サウナへ入っていい?
避けたほうが無難です。
カミソリ後には細かい傷がある場合があり、塩が強くしみる可能性があります。AADも傷がある肌での角質除去を避けるよう勧めています。
Q. 塩サウナのほうが汗をかく?
一概には言えません。
ドライサウナでは高温によって大量発汗しやすい一方、塩サウナは高湿度なので汗が蒸発せず肌へ残りやすくなります。
Q. 塩サウナは毎日入っていい?
肌へ毎回塩を使う場合は、肌状態を確認してください。
角質除去をやりすぎると乾燥や刺激につながることがあります。赤みやヒリヒリ感が出るなら頻度を下げます。
Q. ドライと塩、同じ日に両方入っていい?
できますが、初心者は無理に両方入る必要はありません。
両方試すなら短時間にして、間に十分な休憩と水分補給を入れてください。
Q. どっちのほうが「ととのう」?
「塩サウナだからととのいやすい」「ドライなら必ずととのう」という科学的な基準はありません。
まず安全に身体を温め、十分に休むことを優先してください。
まとめ|熱さが苦手なら塩、肌が弱いなら短時間のドライから
ドライサウナと塩サウナの違いは、
ドライサウナ
→ 高温・低湿度
→ 80~100℃程度が代表的
→ 比較的短時間で強い熱さを感じやすい
塩サウナ
→ 低温・高湿度の施設が多い
→ 40~60℃程度が一般的
→ 塩を肌へ優しく乗せて使う
という点です。
初心者なら、
高温が怖い・熱さが苦手
→ 塩サウナから短時間
敏感肌・傷がある・シェービング直後
→ 塩は避け、ドライサウナ下段を短時間
という選び方が使いやすいでしょう。
ただし、塩サウナについて、
「50℃だから90℃のドライより絶対に身体へ優しい」
と考えるのは避けてください。
高湿度では汗が蒸発しにくく、身体から熱を逃がしにくくなります。実験では、低温でも高湿度のサウナのほうが深部体温・心拍・熱ストレスが大きくなった例があります。
初心者に一番大切なのは種類ではなく、
水分を取る
短時間から入る
時間を我慢比べにしない
具合が悪ければすぐ出る
ことです。
日本サウナ・スパ協会も、事故予防のためにサウナへ入る前から水分補給を行うルーティンを推奨しています。
最初の日から、
「12分×3セット+水風呂」
を達成する必要はありません。
塩サウナ5分だけ。
またはドライサウナ下段3~5分だけ。
まずはそのくらいから、自分にとって気持ちよく終われる温度と時間を探すのが一番です。

